小物すだれ
一般に屋内・外で、日除けや目隠し・間仕切りのために用いられるいわゆる「すだれ」に対して、小物すだれとは、ざるそばのせいろや、のり巻き・かまぼこの製造の際に用いられる小さなすだれ類の総称で、主に、食品関連の物が多いが、他にコースターやランチョンマットをはじめ、インテリア関係の用途の物まで、幅広く製造されている。素材に使われるのは「真竹(まだけ)」で、千葉県・房総や、栃木県産のものが用いられている。食品に関わるものが多いため、製品の「清潔なイメージ」は重要で、そのため、下拵え(したごしらえ)に当たる「もみがらで洗う」作業(後述「製作行程」参照)は火のうに大切な仕事である。細く割った竹を糸でつないで行くことを「編む」と言うが、近年は機械編みが普及して、生産性の向上には寄与しているものの、「耳かけ」といわれる両端を二重に編む作業は、手仕事でなければ完成できない。作られた小物すだれは、主に問屋を通じて販売されるが、特に漆器業者への流通は多く、そばせいろなどの様々な製品は、他の手仕事と組み合わされたのち、人々の手元に届けられている。現在、小物すだれを作っているのは都内でもここ一軒だけと言われ、他の業種同様、後継者不足は否定できない状況である。
小物すだれの製作=仕上げ
製作行程としては、まず材料の「真竹(まだけ)」をもみながら水でこするようにして洗う。これによって、よごれた竹の表面を傷をつけずにきれいにすることができる。その後、寸歩に切ってから竹を割る。割り方には、二ツ割・四ツ割・八ツ割・小割・ひごなどがあり、こうして細かく割った竹の裏側を削ってから、天日に干して乾燥させて、材料の準備が整う。この材料を綿糸で編んですだれを作るが、一般のすだれと異なり、丸い形の物も多いため、はさみで必要な形に切って仕上げて完成となる。